過去記事で、「スウェーデン政府は学校で紙の本、ノート、ペンといったアナログ的な教材に改めて重点を置いている」旨のことを書きましたが、今回はノルウェー、2026年6月の情報です。
2016年から、ノルウェーは5歳から全国の児童にiPadを無償配布するというプロジェクトを開始しました。北欧の福祉国家らしく、EdTechの可能性に希望を持ち、国家の富を教育に投じた試みでしたがその後、子どもたちの「読解力」が急落してしまったようです。
PISA(国際学習到達度調査)2022年の結果は、読解力スコアは2015年の513点から2022年の477点へ36点減少、数学は501点から468点へ33点減少(80カ国中、読解25位・数学32位)で「ノルウェー史上最低スコア」となりました。
ノルウェーでは、現在約50万人の国民が基本的な読み書きに困難を抱えており、小学校を卒業しても文字を読めない児童数は1万5,000人にも達するそうです。
2016年以降の相関関係は明確であり、ノルウェー政府は「デジタル化の推進が読み書きの基礎力育成を妨げた」という反省の元に、方針を転換しました。
日本では「読み書きそろばん」と言いますが、文字の読み書きと計算力は、基礎学力の視点で最も重要な内容になりますから、ノルウェー政府が大いに危機感をいだいたことはよく理解できます。
さらに、これに続いてノルウェー政府は、「小学生がAIを使うことを禁止」したようです。
2026年8月下旬の新学年度から小学校(1〜7年生、6〜13歳)での生成AI(Generative AI、文章・画像・コードを自動生成する人工知能)使用を原則禁止するという方針のようです。(ChatGPT、Gemini、CoPilot等のツールが事実上の使用禁止対象。)
それはそうでしょう。AIにちょっとお願いすれば「読書感想文」だって、何なら「卒業論文」だって 1分程度でおおよその課題はできあがってしまうので、自ら考えることを放棄してしまうからです。
半分笑い話ですが、ある大学の先生から「提出された卒業論文の中に書かれていた最初の一文の中にあったキーワードの意味を、提出した当の学生に尋ねたら『すみません分かりません』と返答された」と、聞かされました。
日本の良さ(!?)は、行動に「素早さがない」ことかもしれません。
日本は基本的に「保守的」な社会ですから、外国人が「日本人はまだ現金使っているんだ」と驚くこともあると言われますが、何でもどんどん導入すれば良いのではなく、「他国の導入実績」を参考にして、上手く修正を加える柔軟性が欲しいところです。
現在の子どもたちは、そうさせたいと思わなくてもどうしても「デジタルネイティブ」になってしまう環境に生まれています。
しかし、我々人間は基本的に「アナログ」な存在です。PCやタブレットのようなデジタル機器は、あくまでも「ツール」の一つでしかありません。
やはり、幼い子どもたちには特にですが、実際に「紙の本を読む」ことや「鉛筆や筆を使って字を書く」ことを疎かにすると、学力形成や発達にも大きな影響を与えてしまうようです。
笑顔で 元気に 逞しく!
ステキな学校・学級をつくるため 自分の歩幅で、前進していきましょう!

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