さて、発達段階が未熟で不器用さを抱えている子どもたちにとって、ドッジボールのような大きなボールを投げるのは、なおさら大変です。
例えば、上半身の動きと下半身の動きが未分化で不器用さを抱えていると、ボールを投げようとして「右手が前へ動くと右足も前へ動いてしまう」ような動きになってしまったり、投げたい方向はわかっているけれど、あらぬ方向へボールをリリースしてしまったりしてしまうのです。
右手でボールを投げる時に、左足を踏み込んで(右から左へ重心を移動させつつ)左の壁を作って力強いボールを投げるような、下半身と上半身を協調させて投げるという高度な投げ方は、子どもたちにはなかなかできないものです。
かつて、私が校長をさせていただいていた小学校で、子どもたちの「投げ方」の分析・分類を先生方ががんばって試みてくれたことがあります。例えば、
△両足が揃って手だけで投げる投げ方
△投げる手と同じ足が出てしまう投げ方
△手足がバラバラな動きの投げ方
△リリースが定まらない投げ方(例えば、真上に投げてしまう。) などです。
勿論、これらが混在している場合もありました。
つまり「体育」というのであれば、これらの子どもたちの不器用さを改善するためにどのような運動をすれば良いのかを考えたいのです。
「子どもを主役に!中心に!」とか言うけれど、初めに教科や領域や単元ありきになっていないか?!
本気でそれを実現するために、
「子どもたちの発達や認知の側面まで理解し、学習内容を考える、そんなの当たり前じゃないですか!」
そういう時代が来ることを夢見ています。
それでは、続きはまた!
笑顔で 元気に 逞しく!
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