ある研修後のご質問に次のようなことがありました。
「私たちは、困っている子どもの不適切な行動を脳の仕組みに逆らいながら、一生懸命に先生の仰る『愛の無視(スルー)』をしているのですが、子どもたちの中に『〇〇ちゃん、今それをしたらアカンで~』と正しいことを言う子が居ます。どのようにしていったらよいでしょうか?」
「注目した行動が強化される」という心理的な原則にしたがって、先生方は不都合な行動に注目せず、敢えて成長につながる行動に注目しようとしてるのに、子どもたちの中から、集団に不都合な行動をしている子どもに対して正しいことを言って注意してくれる子が出てきたようです。
その注意できる子どもは、集団意識が育っている良い子ですし、脳の扁桃体もすこぶる健康なだけなので、余計なことを言う困った子どもだと思わずに、ひとまず安心しましょう。
さて、こちらが一生懸命(脳は見えてしまっているので…)注目しないようにしているのに、子どもの声でその不適切な行動に注目してしまうとせっかくの「愛の無視」が台無しに…と思ってしまうかもしれないのですが、そうでもないのです。
集団づくりと言う視点で考えると、指導のチャンスが到来したことになり、実はとっても有難いのです。
もし、不都合な行動に対しての子どもたちの言葉かけがキツイ言い方であったり、意地悪な言い方であったりすると…
「そうか、そうか、注意してくれる気持ちはありがたいね。でもね。もうちょっと優しい言い方で言ってみようか。先生ちょっと言ってみるから、一緒に練習しようか…」などと、丁寧にその正しいことを言った子どもの言い方や振る舞い方の指導をします。
つまり、これをチャンスにして、このように全体の子どもたちの中で、さりげなく優しい言い方や振る舞いを指導するのです。
それを、子どもたち同士で正しいことを注意し合うことを自主性とか主体性とかと勘違いして、放っておくと、確実に意地悪のめ(目、芽)が育ち、いじめの起こり易いクラスに育っていきます。
またもし、丁寧な優しい言い方や振る舞いで正しいことを言うことができていたとしたら、
「いいなぁ。今の言い方優しいなぁ。それに、みんなに目立たないようにそっと伝えてたよね。〇〇さんもう一度みんなの前でやってみて…ほら…」などと、そのステキな行動に注目して、優しいクラスのめ(目、芽)を育てていきましょう。
このように考えると、ステキなクラスづくりのチャンスは、日々おとずれているものです。
笑顔で 元気に 逞しく!
ステキな学校・学級をつくるため 自分の歩幅で、前進していきましょう!
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