ご質問をいただきました。
Q.教室に入れない児童への対応(担任として、職員として)をどのようにすればよいでしょうか?
これもとても多いご質問の一つです。
最初に考えなければならないことは、「どうして教室に入れないのか?」その背景にあるものを知る努力をする必要があります。
子どもの要因としては、概ね以下のようなことが考えられます。
①認知特性に課題があって、みんなで一斉にする授業では指示が聞き取れなかったり、授業のスピードについていけなかったりするので、面白くないから教室に行きたくない。
②メンタルに課題があって、多くの人数の集団の中で過ごすことが精神的な負担が大きいため、教室に入りたくない。
③「愛着」に課題があって、見て見て行動の一つとして教室に行きたくない。
④平素、担任が厳しく叱責するので、自分が叱責されていなくても恐いと感じるので教室に入りたくない。
⑤原因として、これらが複合的に存在している。
⑥その他
いかがでしょう。それぞれの要因によって、我々の子どもたちへの関わり方が違ってくるのがわかります。
このような視点での的確な分析ができないと、一生懸命に取り組んだとしても、それが果たして適切な関わり方となっているかが、分からないのです。
そのために、これまでの(幼稚園、保育園や低学年、中学年)でのその子どもの様子(学習面や生活面)や、普段の友だちとの過ごし方、好きな遊びやモノ、保護者の願い等々、たくさんの情報を先生方で助け合ってより多く収集する必要があります。
そのような時、その子どもの作品が役に立つこともあります。
衝動性や多動、不器用さ自閉傾向、学力やその時の精神状態などの情報が得られる場合があるからです。
最後に、くれぐれも気をつけていただきたいこと二点。
一点目、質問の中に「~児童への対応」とありますが、できるだけ「対応」という言葉は避けるように気をつけたいと思います。
言葉として「危機対応」という言葉がありますので、ついついやってしまうのですが、子どもたちや保護者の側から見ると「何だ私たちは(厄介者として)「対応」されているのか?!」と感じられるのは、決して本意ではないからです。
二点目、情報収集だとして、その困っている子どもに直接「どうして、教室に入りたくないの?」と尋ねないことです。
原因が分かっていれば改善できるかもしれませんが、困っている子どもたちは自分の困っているところを説明できません。
例えば、「愛着」は0歳~1歳半までに形成されますものですが、その頃養育者によって十分に「愛情」という刺激をもらえていなかったとしても、誰も記憶にはありません。つまり、「寂しいから相手にしてほしくて暴言を吐いてるのさ~」とは誰も言えないのです。
笑顔で 元気に 逞しく!
ステキな学校園・学級をつくるため 自分の歩幅で、前進していきましょう!
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