「業務改善」考①

研修や巡回指導で出向いた学校の校長先生方から、学校現場の「業務改善」についての悩みを伺うことがあります。

確かに長時間勤務、過重労働は人権の観点からも当然、許されるものはありません。

何の自慢にもなりませんが、私も教頭時代は朝6時半頃に出勤し、夜は先生方が帰った後午後10過ぎに学校の戸締りをして帰宅するということが続いてたことがありましたから、どう考えてもブラックで尋常な働き方ではなかったと思います。(その小学校の閉校、統合という事情があったことも要因の一つですが…)

校長先生方が憂慮されていたのは、「学校外で子どもたちのトラブルが起こった時も、勤務時間外ですから私の仕事ではありません。」という声が、先生方から上がってくるという事例についてでした。

もし学校外で、子どもたち同士のトラブルがあったとき、都市化によって保護者同士の繋がりも希薄になっている現状から、少なくとも何らかの解決の糸口を見つけるためには、学校がハブとしての機能を果たす必要があるのだろうと思います。

しかし、そのためには日頃から保護者と担任、学校とのコミュニケーションが成立し、信頼関係が醸成されている必要があります。

従って、「勤務時間外ですから…」というのは、教師自らが保護者や子どもたちとの信頼を破棄する結果になりかねません。

そもそも「勤務時間外で仕事上の責任がない」ことと、「勤務時間外ですから知りません」とは意味が違いますから、そこを混同してはなりません。

勤務時間外の学校外のことで責任はないとしても、自分のクラスの大切な子どもの問題ではあるのです。

ですから、このような発言は「業務改善」とは無関係であって、教師の仕事に対する姿勢の問題なのです。

「業務改善」という言葉を隠れ蓑にして、面倒なことから逃げてはならないのです。

欧米のように、学校内の責任と学校外の責任とが合理的に切り分けられている文化が成熟していれば「学校外のことは責任はありません」から、その共通理解の元に当事者同士で解決していくかもしれませんが、情緒や感情が優先される現在の日本は、まだまだそのような近代的な(?)文化になっていないと考えています。

善し悪しではなく、欧米のような合理的な(?)社会になるにはまだまだ時間がかかりそうですから、教育公務員として「公共への奉仕」という視点を忘れず、何よりも「自分のクラスの子どもたちのことを考える」ことを大事にしてほしいものだと思います。

笑顔で 元気に 逞しく!

みんなで一緒に ステキな学校を作りましょう!

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