ご質問をいただきました。
Q.自分の動きを止められない多動な子や思ったことをすぐに口に出してしまう子に対する支援の方法を知りたいです。
とても、よくあるご質問の一つです。
最初に、ご質問された先生だけではなく、学校園全体の認識として「その子どもが多動である」という共通理解を持っておられることは一つのカギになると思います。
その共通認識がないと、只々動き回って落ち着きがなく授業の邪魔になる子、ずっとしゃべって授業の進行を妨げる困った子になってしまいます。
「多動」であるということは、まさに多様に動き回っている「体の多動」についても理解できますし、ずぅ~っとしゃべり続けているのは多動が口にきているのだという「口の多動」についても解釈が可能になります。
支援の方法については、原則はありますが、絶対的な方法はありません。
その子どもと先生がみんな違うからです。つまり、これまで作り上げてきたストーリーが違うので、発する言葉と行為の意味がお互い相手によって変わってしまうからです。
ですから○○先生の指示は通るのに、□□先生が同じことを言っても指示が通らないことがあるのは、ある意味仕方がないことです。
シンプルな例をあげると、「愛は人生において大切なものです。」という言葉も、自分の大好きな俳優さんが言えば納得できても、今なら某国の軍事侵攻当事者の大統領が同じ言葉を語ったとしても…???となってしまうということです。
さて支援の方法の大原則は、『愛の無視』です。
多動と言われる子どもたちも、45分の授業中ずっと動き回っていることはありません。何かのタイミングでちゃんと座っていることがあります。
脳が健康な普通の先生の場合、動き回っている時に「○○さん座りなさい!」と声を掛けます。(逆に、座っている時は無視します。)
「愛の無視(スルー)」ができる鍛えられた脳を持つプロの先生は、○○さんが珍しく(?)座っているタイミングを見逃さず「○○さん座ってがんばってるね。」と声を掛けます。
理由は簡単、心理的に『注目した行動は強化される』からです。
つまり、動いているのが見えていても、ずぅ~としゃべっているのが聞こえていても、上手く愛の無視(スルー)をして、都合の良い行動に適切に評価の言葉をかけるのです。
このように心がければ、多動で困っている子どもも、クラスの他の子どもたちも誰も嫌な気持ちにならないので、クラスの空気感が損なわれることはありません。
簡単ではありませんが、日々子どもたちに鍛えてもらって、私たちの方が成長することが大切です。
笑顔で 元気に 逞しく!
ステキな学校・学級をつくるため 自分の歩幅で、前進していきましょう!
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