それではこの「昆虫太極拳♪」で、子どもたちの発達に繋がっている大切な内容とは何でしょうか?
それは子どもたちが音楽やリズムに合わせて、楽しくポーズをとったり体を動かしたりすることから生まれます。
「音」を聴いてそれに合わせて体を動かすということは、「聴覚情報」を入力して、それを元に脳で統合して動作で出力(表現する)という一連の脳の回路を使うことになります。
「カマキリ」や「ダンゴムシ」「バッタ」などの昆虫の名前に合わせてそれぞれのポーズをとるのですが、「聴く」という情報から決められたポーズをとるという一連の動きを、テンポを変えながら繰り返すことで、子どもたちの脳は様々な刺激を受けていることになります。
注意を傾けて聴いて、それを動作化するためには、「音」の意味理解の力も必要です。
さらにテンポが段々と速くなりますから、そのテンポに合わせて素早く決まったポーズに体を動かす力も必要です。
そんな中、聞くことが苦手な子どもたちは、微妙にテンポがズレることがあります。
でもそれは、一生懸命に音楽を聴いたり周りの子どもたちの動きを見たりしながら(「聴覚情報を」「視覚情報」で補って)健気にがんばっているのです。
放っておくと、このような刺激を受けないまま過ごしてしまっていることになりますから、集団の力を借りて色々な刺激を受けることで発達につなげたいのです。
もどかしさもあるかもしれませんが、困っている子どもたちが、ステキな集団の力を借りて楽しく取り組んでいることこそに大きな価値があるのです。
つまり、最も価値ある学びをしているのは、これらの困っている子どもたちです。
勿論、スムーズに体を動かすことができる子どもたちの発達は素晴らしいです。一方、それらの子どもたちには、それぞれの動きの「質」を高める視点が必要です。
笑顔で 元気に 逞しく!
みんなで一緒に ステキなクラスを作りましょう!
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