アナログでつまづく…

某小学校で、ユニバーサルデザイン教育の研究として、1年生の算数の授業を公開してくださいました。

まず、目についたのは教室前方の右側に大型のディスプレイが置かれていて、前時の板書が写されていたことです。

アナログの黒板だけでは、言葉からのイメージとしての振り返りにならざるを得ないのですが、デジタル化されると見事に視覚で振り返ることができて、確かに便利だなと思いました。

また、iPadとディスプレイが連動しており、子ども一人ひとりの取組みの様子が机間指導しなくても、画面上に写っていますから、学習上で困っている子どもの把握もやり易いことがわかりました。

さて、本時の学習は、例えば(13ー9=□)のように繰り下がりのある減法計算でした。

「3から9は引けません。10から9を引いて、残った1と3で答えは4」のように、先生は子どもたちに分かりやすいように丁寧に板書したり(視覚支援)、みんなで板書を声に出して読んだり(聴覚支援)、隣の友だちとペアで確かめたり(対話的活動)等々色々な工夫をされていました。

ペアで確かめた後、それでは誰かに発表してもらおうと、一番前のディスプレイの近くに座っていた男の子を先生は指名しました。

その男の子は、教室の後ろに貼ってあった掲示物から判断すると、相当学習面でも困っている子どもだと判断できましたので、何か特別な意図をもって指名したのかなと思って見ていましたが、やはりその子は発表ができなくなってフリーズしてしまいました。

ではフリーズしてしまった理由は何かと言うと、発表の前にお隣の女の子と確かめとしてお互いに計算の仕方の説明をする活動をしていましたが、その時も板書を頼りにそれを読みながら何とかがんばっていた様子でした。

つまり、ここでは丁寧に板書した値打ちがあったのです。

しかしながら、いざ全員に発表となった時、その男の子と板書の間に担任の先生が立ってしまったので、「先生どいて!」とも言えず、せっかく書いてくれた板書を読めなくなったからフリーズしたのでした。

集団の中でも、子どもたち一人ひとりの学習状況を把握して、授業を進める必要があります。

デジタル化は良いのだけれど、アナログの部分でつまづく一つの事例でした。

こういう小さな経験を通して、授業の腕は上がっていきます。

やっぱり、授業はいいですね~♪

笑顔で 元気に 逞しく!

みんなでステキなクラスをつくりましょう!

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