子どもたちはわかってるのだと思っていました…

ある福祉施設へ研修に出向きました。その昔、社会教育の指導主事時代に大変お世話になった大好きな先輩が所長をしておられ、お声を掛けていただいたのです。

講演後、そちらの先生からおもしろい質問をいただけたので、ご紹介します。

「ホームでは、学校から帰ってきた子どもたちの宿題の世話をしているのですが…算数の宿題を子どもたちに教えていた時、この教え方でいいのかなと疑問に思って、小学校の担任の先生に電話で尋ねたところ『〇〇ホームの子どもたちは、いつもちゃんとできているので、みんなわかっているのだと思っていました。』と仰られたんです。できていない所をやり直させて宿題を提出していたのが良くなかったのかと…どうなんでしょう?」

まずは、このホームの先生方は毎日子どもたちが帰って来たら、お母さんに代わって子どもたちの宿題を一緒に見てくださって、本当に有難いなぁと思います。

さてこの場合、宿題の内容や目的による違いを考える必要があります。

図工の絵画やお習字など何かの作品づくりが宿題であれば、ある意味完成した「成果物」として提出する必要があるかもしれません。

一方この算数の宿題の場合、子どもたちが理解できておらずホームの先生方と一緒に何度もやり直しをしたとして、結果としての「正解した部分(成果物?)を宿題として提出していた」ことになります。

実は、算数などの場合、大切なのは成果物を提出することではなく、宿題として問題を解こうとして七転八倒した経過の方が大切なのです。

なぜなら、理解ができていないところやつまづいている場所が見えるようにしないと算数はできるようにならないからです。

だから「算数では消しゴムを使いません!間違えたところがわかるように、線で見え消しをします。」という指導の原則があります。

このお話をすると、質問されたホームの先生は「子どもたちは消しゴムで消して、正解したものを提出したがります。」と返答されました。

この辺りは正に、小学校の担任にとっても指導力向上のチャンスになってきます。

算数学習の、微細ですが非常に大切な指導技術になりますので、些細なことのように思えることでも小学校と連絡を取り合って情報交換をして、子どもたちのためにより良い指導になるようがんばっていただきたいものです。

情報をいただいて、気づきがあればこそ担任の先生も成長していかれると思います。

笑顔で 元気に 逞しく!

みんなで一緒に ステキなクラスをつくりましょう!

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