授業の発想を変える~まずは子どもたちを動かそう~

ある小学校の1年生のクラスに巡回指導の機会がありました。

担任は、一生懸命さの伝わってくる若手のステキな女性の先生でした。

特別支援の教室に出かける子どもたちに「いってらっしゃい」と明るく声を掛けることができていますし、「〇〇さん準備が早いね~」とか「〇〇くん姿勢良いよ~」とか子どもたちへの褒め言葉も自然に出ていました。

子どもたちの方は、それほど強い状態ではありませんが、多動や衝動性の見られる子どもたちが9人(30名中)ほど在籍していました。

つまり、これだけ困っている子どもたちの人数がいると、『子どもたちを普通に座らせて落ち着かせてから何かの説明を始めよう』なんて言うような、オーソドックスな授業をイメージしてはいけません。

子どもたちの誰かの姿勢がぐちゃっとなっていたり、何かを呟いていたり、時には立ち歩いたりしてますから、先生の脳が健康だと子どもたちの不都合な言動が目に耳にどんどん入ってきます。

それをそのまま、注意したり叱ったりしていると、スーパーもぐら叩きゲームのようになってしまいます。

では、どうすればいいのか?!

まずは、『子どもたちを動かす』ことです。

学習の中に、実際に動ける活動を取り入れるのです。

例えば、

「国語の教科書を読みます。」

「18ページから20ページを読みます。」

「立ちましょう。」(立てる)

「読めた人から座りなさい。」(座れる)

のように、教科書を読むだけでも2回動けるのです。

全員揃ってなくても、動かしてしまうのです。

まだ準備していない子どもを待たずに進めるなんて、そのことを優しさが足りないなんて勘違いしてはいけません。

素直に正直にがんばっている子どもたちは、困っている子どもたちの準備のために、先生のお説教やイライラした怒りの言葉を浴びせられている間中、損をしています。

それこそが、不親切で優しさが足りないのです。

「正直者に損をさせてはいけません。」

そして、多くの子どもたちが教科書を読んでいる間に、困っている子どもたちに関わるのです。

教科書を出させたり、読むページを教えたり…何とか本を読むところまで、追いつけたら

「はい。ちょっとストップ。」

「いいよ。いいよ~。みんな上手に読めてるよ~。」

「全員揃ったから、最初からもう一度読みますよ。ハイ!」…

のように進めていきます。

最初から上手くはいきませんが、失敗しつつさらに腕を上げていただけるといいですね。

間違いなく、このクラスの子どもたちは、この先生を鍛えてくれますから…

それでは、また!

笑顔で 元気に 逞しく!

みんなで一緒に、ステキなクラスをつくりましょう!

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