横糸と縦糸

これまでも「子ども主体の学び」や「学びの主人公は子ども」といった言葉で、子どもたちの主体性を大切にする教育理念は語られてきましたが、現実には「みんなで一緒に、同じ課題を、同じペースで学ぶ」という集団的で協調性重視の授業が主に行われてきました。

つまり、子どもたちの本当にやりたいこと興味のあることよりも、学習内容が先にあって、分かっていようが分かっていないようがお構いなしに、取り敢えず45分座っていればOK!という履修主義(とにかく、やったぞ)で進んでいるということです。

ですから、分からないからといって暴れる訳でもなく、自己コントロールをきかせて大人しく協調性を発揮してくれる(忖度してくれる)子どもたちのお陰で我々の授業は成立してきました。

これからはそうではなく、言葉通りに「子ども主体」と言うならば、子どもたちの「好き」(興味や関心)が、子どもたちの「やりたい」「知りたい」「調べたい」という学びのモチベーションにつながり、より「主体的」に意欲的に学習することにつなげたいものです。

子どもたちの「好き」(興味や関心)を横糸とすれば、学問体系である各教科(国・社・算・理等)は縦糸になります。(どうしても、中島みゆきさんの名曲♪「糸」を思い出してしまいそうになりますが…<(_ _)>)

一つ例をあげます。

ある小学校は、1年生が4人、2年生が1人の複式学級でした。

2年生のたった一人の男の子は、多動の傾向があるので長時間座っていることができません。小さな学校ですから、巡回指導で各教室を一回りして1・2年生の教室に戻ってくると、案の定立ち歩いていて1年生の周りをウロウロしています。(例え10分でも座っているだけで、その子どもの状況から言えば、大したものなのですが…)

担任の先生に尋ねてみました。

「この子(2年生)の好きなことは何ですか?」即座に、「恐竜が大好きです。」と返答がありました。さすが、担任の先生です。

そうであれば、「『恐竜図鑑』を一緒に作ったらどうでしょう。」と提案しました。

その際、例えばティラノサウルスの絵を描けば「図工」です。調べていくうちに、体高8mとあったら「メートルって何」となるとこれは「算数」になります。勿論、体高の意味や漢字やカタカナの学びは「国語」になります。

「好き」なことですから、きっと高いモチベーションでどんどん学んでいくでしょう!

このように、一人ひとりの子どもの「好き」(興味や関心)を横糸にして、縦糸に結びつけながら、子どもたち一人ひとりが学びの主人公になれる学校にしてきたいものです。

笑顔で 元気に 逞しく!

ステキな学校・学級をつくるため 自分の歩幅で、前進していきましょう!

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