「GIGAスクール構想」の元、この2年程でどの地域の教室でも子どもたち一人ひとりがタブレットやPCを使って勉強している姿が見られ、学校のデジタル環境整備はかなり進んでいることが、実感できます。
これまでの黒板とチョーク&ノートという伝統的な学習用具から、ようやく日本にも新たな学習機器が導入されたことを喜ばなければなりません。
さてこの2年コロナウイルス禍の中でも、いくつかの小学校で子どもたちが算数や体育などで実際にタブレットやPCを使って学んでいる授業実践を公開していただきました。
その中で気になっていることは、まだまだ「教師主体の一斉授業」の形式であり、『学びの主体を子どもたち一人ひとりにシフトできていない』ということです。
ある算数の授業では、同じ単元の同じ課題をみんな一緒に学び、出された問題に対して、子どもたちがタブレットに解答した式と答えの全員の分が、黒板横の大きなプロジェクターに映し出されていました。
これなら、IT機器のおかげで机間指導をしなくても誰ができていて、一目で誰がつまづいているのかが分かる効率的な授業になっていると思います。
しかし、これだけでは「一律・一斉型」の教師主体の授業を効率化しただけで、我々教師の都合で授業が進んでいることになります。
「GIGAスクール構想」の本来の目的は、各学校にIT機器を整備することにとどまるのではなく、それを活用して学びの個別化・最適化を図り、主体的・対話的で深い学びを実践することにあります。
つまり、一人ひとり課題の違う子どもたちを一まとめにして、同じ課題を同じペースで一方的に授業をするという従来の合理的な配慮に欠けた学び方の状況を改善することにあります。
現場の校長先生方との話からは、今回のコロナウイルス禍において、整備が遅れていたタブレットなどの端末が揃ったことで、何とか子どもたちの学びの保障の一助になるという面で一息ついていたところのようで、「GIGAスクール構想」本来の目的にまで考えが及んでいなかったことが伺われます。
それでは、なぜ子どもたちに学びの個別化・最適化を図ることが中々進まないのかを次回もう少し考えてみたいと思います。
笑顔で 元気に 逞しく!
みんなで一緒に ステキな学校をつくりましょう!
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