そんなバラバラに学んで、「どのように子どもたちをきめ細かく見ていくのか」と心配される方も居られるかもしれません。
実は、IT環境が整っていれば、学んだ足跡が「学習ログ」として残っていきますから、子どもたちが学んだ軌跡を教師が確認することもできます。
実際に経済産業省の「未来の教室」プロジェクトの先進校の実践では、それぞれのペースで学んだ方が時間が余るとの結果が出ていますから、余った時間を活用して集団の中で恥ずかしい思いをすることなく、困っている子どもたちの個別の指導時間もとれるようになる筈です。
今後、覚えなければならない(やらなければならない)学習内容については、これが基本になっていくのではないでしょうか?!
但し、覚えなければならない(やらなければならない)内容について、自分のペースで学べるようになっただけでは、本来の目的である子どもたちの学びの「主体性」や「対話的」にはまだまだ遠い気がします。
さて、ヨーロッパのいくつかの国では、「今日何を勉強するかは子どもたちが決める」ようになっていることをこれまで何度か説明してきました。
だからこそ主体性が育まれますし、「一人ひとり課題が違う」のですから、それは至極当たり前のことで非常に合理的な考え方だと思います。
『教育DXで「未来の教室」をつくろう―GIGAスクール構想で「学校」は生まれ変われるか』(学陽書房)*で経済産業省の浅野大介氏 が書かれているように、「子どもたちが学びたいこと、面白いと思えることを自分の探求課題として研究していくこと」を進めていかないと、本当の「主体性」は育まれないのではと思うのです。*ぜひお読みください!
また「対話的」にしても、現在の一斉授業の中で、与えられた課題についてペアやグループで話し合いをしている場面をよく見かけますが、それは教師の指示によって協調性を発揮して話し合い活動をやっているだけで、本来の対話ではないと考えます。
「対話」とはその課題や問題について、互いに当事者性(話し合う必要性)があって話し合いたいから成り立つものだと考えるからです。
さて、やらなければならない勉強ではなく、子どもたち一人ひとりがやりたい勉強をする時間があると仮定してみてください。
さらに、子どもたち一人ひとりが自分の興味・関心を元に、例えば「カマキリの研究」や「サツマイモ作りの研究」、「足が速くなる研究」、「歌が上手くなるための研究」、「料理の研究」、「上手に話す研究」等々のそれぞれのやりたい課題を探求している場面を想像してみてください。
私たち教師の役割が変化していること(トランスフォーメーション)に気がつきませんか?!
笑顔で 元気に 逞しく!
一人ひとりの歩幅で前進です。
ステキな学校・学級をつくりましょう!
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