教育DX:学校は変われるか?!④

教室を訪問して、子どもたちの掲示物(理科観察や習字など)や授業中の姿勢などのソフトサインから、一人ひとりの学ぶ力についてある程度推察することができます。

そのような視点で授業を観察していると、みんなで一斉に進んでいく授業の中で「本当に理解できているのだろうか?」と心配になることがよくあります。

認知面での課題から、見えにくかったり聞こえにくかったりして十分に理解ができていなくても、ほとんどの子どもたちは授業の邪魔にならないように、健気に座ってくれているのです。

放課後、担任の先生とお話できる機会があれば、それらの子どもたちの学習の状況についてお尋ねすることにしています。

困っている子どもたちの認知の偏りに気づけば、一斉授業の中でも、ユニバーサルデザイン教育としてよりわかり易い親切な授業はできるからです。

分からなければ、「質問すればいいじゃないか」と考える方も居られるかもしれませんが、変な質問をすれば授業の進行の妨げになるかもしれないし、分からないことが周囲にバレるとバカにされていじめられるかもしれないので、子どもたちはあきらめたり我慢したりして忍耐強く座ってくれているのです。

一方、教師の方も決められた内容を決められた時間で教えなければならないと考えていますから、一斉授業の中で本当に学習に困っている子どもたちに進度を合わせることはできない筈なのです。

3学期に時間が足りなくなって、教科書を読んで終了というような笑えない話もあります。

「分かりません」「教えて」と言えることもなく、訳の分からない授業を1コマ45分、我慢して1日何時間も座っている子どもたちのことを考えると、申し訳なく切なくなってきます。

このように、旧来の一斉で一方的な学び方は、できない子どもたちには冷たいのです。

ですから、これまでの覚えなければいけないような内容の科目や教科は、「自分のペースで学べる」ようにすべきです。

子どもたち一人ひとりがタブレットなどの端末を使って、分からなければつまずきのあるところまで戻っても良いし、理解力の高い子どもたちはどんどん先に進んだって構わないのです。

つまり、覚えることが内容になる科目や単元については、一斉授業をするというイメージを破棄するのです。

そういうものは、子どもたちが自分のペースで学べば良いのです。

そしてみんなそれぞれバラバラに取り組んでいるからこそ、個別の指導は可能になります。

極端かもしれませんが、「4年生のAさんは3学期にもう6年生までの算数の内容が終わっちゃった」その逆に、「4年生のBさんは苦手なところがあって、2年生の復習をしています。」で良いのです。

そう、シンプルに「一人ひとりの課題は違う」のですから。

笑顔で 元気に 逞しく!

みなさん一人ひとりのペースで ステキな学校・学級をつくりましょう!

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