教育DX:学校は変われるか?!③

さて、私が『笑育』として「先生方にまずは笑顔で子どもたちと関わっていただけませんか」と推奨してきた理由は、「子どもたち一人ひとりの特性を理解し、一人ひとりに応じた関わり合い(学びを含む)」を通して、「子どもたち一人ひとりが生き生き学び活動する学級づくりを実現したい」からです。

そのために、特別支援教育の知見や発達心理学、脳科学などを使って、子どもたち一人ひとりの特性の違いを理解すると共に我々教師の陥りがちな視点や思考を改善して、インクルーシブな視点からユニバーサルデザイン教育を実践することでアプローチしてきました。

つまり、「みんな違ってみんないい」の教育を本気で学校現場で実現したいとの願いからでした。

ところが、その大きな壁となったのが、明治維新以来続くクラスと言う比較的大きな集団での「一斉授業でみんなで同じ内容を同じペースで学習するという一方通行的な授業形態」でした。

つまり先生方が、子どもたち一人ひとりの特性に応じたいと考えても、一つのクラスの人数が多いことと、これまでの授業イメージを変更することが難しいために、学びと言う側面ではなかなか難しい状況にあったと思うのです。

これまで私たちは「ルールを守り、言われたことはきちんとできて、忍耐強く賢い子どもたち」を育成することは得意としてきましたが、子どもたち一人ひとりの個性や特性を生かして伸び伸び主体的に学ぶ子どもたちを育成することは得意ではなかったように思うのです。

その結果、長年にわたりOECDの調査では日本の子どもたちの自己肯定感や自己有用感は諸外国と比較して極端に低く、さらには学校における「いじめ」や「体罰」という課題をいつまでも解決できないという、我ながら情けない状況が続いています。

どう考えても、これは現在の日本の学校教育に「何か構造的な問題がある」ことを示していると思います。

一方昭和・平成を経て令和の現在、グローバル化、Society5.0の波によって社会構造も大きく変化し、大きな上場企業でも終身雇用性は無くなり、老舗の有名企業においても様々な不祥事により揺れ動いているケースが後を絶ちません。

このような、日本全体の現状をみると、いよいよ学校教育においても大きな構造的な変革の時がやってきたように思います。

そして今回の「GIGAスクール構想」での目的は、学びを子ども主体に個別化・最適化していくことにあるのです。そして、これは先に述べたように「笑育」で進めてきた方向性と全く同じなのです。

学習指導要領にあるように、いよいよ「一斉で一方的な浅い学び」から、「主体的・対話的な深い学び」へと本気で変換していく時が来たのです。

そして、旧態然とした一斉で一方的な授業のイメージを乗り越えるために、タブレットやPCなどのIT機器が導入されたのです。

次回は、さらに具体的に学び方のイメージについてお話したいと思います。

笑顔で 元気に 逞しく!

みんなで一緒に ステキな 学校をつくりましょう!

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