「愛の無視」ができるようになると、教室に不用意に(-)情報をばらまかないので、教室は安定します。でもでも、それだけではまだちょっと足りない…(続き)
この小学校の巡回指導では、4年生のクラスを訪問している時、総合遊具で遊んでいた一人の男の子が随分遅れて教室に戻ってきました。
彼は教室の前方に先生とすれ違うように走りこんで来たのですが、先生は………見事に無視(スルー)しました。
「遅いやないか!」とか「早く戻ってこい!」とか説教することなく、まるでその男の子が見えないかのように、淡々と授業を進めていました。
脳の仕組みに逆らい、マイナスの言葉を教室にばらまかなかったことは、立派でした。
しかし、これでは勿体ない。
なぜなら、この瞬間にクラスの「空気感」が醸成されたからです。
つまり、完全に無視(スルー)してしまうと、この男の子は「クラスの一員として認めていない」という暗黙のメッセージが教室の子どもたちに送られた可能性があるのです。
この「愛の無視(スルー)」には「愛」がついています。
「愛」があるのであれば、日本人として極めて常識的な関わりをする必要があります。
我が国では、誰かが帰って来たら必ず「おかえり」と挨拶をします。
遅れてきたとはいえ、この男の子も大切なクラスの一員ですから、
「おかえり、みんなが揃って先生嬉しいなぁ。」
さらに、「『ただいま~』ぐらい言ってよ~」などと話しかけて、楽しくコミュニケーションをとる必要があるのです。
教室の子どもたちの中には、「先生はクラスの一員として皆を大切にしている」というメッセージを受け取ってくれている子どももいるはずです。
「いじめ」の芽が無いクラスはありませんが、「いじめ」の芽が育たないクラスは作れます。
それは、決して特別なことではなく、「生徒指導≒教師」と言われるように、平素の小さな言動の積み重ねよって成されていきます。
笑顔で 元気に 逞しく!
ステキな学校・学級をつくるため 自分の歩幅で、前進していきましょう!
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