某幼稚園で教室巡回をさせていただきました。
5歳児のお部屋では、一人も絵の中の人物に耳が描いてありませんでした。耳(聴覚)が描ける子どもは5歳児でもそれほど多くはありません。
ボディイメージに耳が描いてないので、聴くのはまだ苦手ですよと教えてくれているのです。
次の、4歳児のお部屋で子どもたちの絵を見せていただいていると、何だか引っかかる絵がありました。何と、4歳児のこの女の子はきれいに耳が描いてあります。
身体の方も手先、足先まで描けているし、ボディイメージがしっかりして発達に申し分なし、と言いたいところだったのですが、気になったので園長先生に尋ねてみました。すると、
実は、「給食が食べられないかもしれない…」「〇〇が上手くできないかもしれない…」と不安がることが多く、「大丈夫だよ。心配ないよ。」といつも励ましていることが多いですと仰いました。
あくまでも、推測ですが…耳が描けるということは、ボディイメージにおいて「聴覚」の発達が進んでいるということで(オージオメーターで測る「聴力」とは別)誰かに何か言われたことは言葉の内容だけではなく「心にも響きますよ」とも言い換えることができます。
例えば、誰か大人に「可愛いね。」と言われたら、4歳児にして「私を褒めて何をしてほしいのかしら。」まで推察する力があるかもしれないということです。
また、他の友だちが教室で厳しく叱られているとしたら、その叱られている子の心には響いていないかもしれないけれど、この子はズシンとこたえている可能性が高いのです。
或いは「〇〇ができて偉いね!」とほめられたら、「〇〇ができないとダメなのかもしれない!(できないと愛されない)」と感じてしまう可能性が高いと思われます。
発達課題としての遅れなどではないのですが、4歳にして人の気持ちが分かり過ぎてしんどいかもしれないのです。
このような視点での周りの大人の子ども理解が進めば、このような子どもの気持ちの負担にならないようなより丁寧に関わり方ができると思います。
人の育ちって実に、複雑だなぁと思います。
それでは、続きはまた!
笑顔で 元気に 逞しく!
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