久しぶりの体育授業の参観⑤~子どもたちが本気でアドバイスするには?~

さて、今回の体育授業の目標の一つが「友だちへのアドバイス」です。

道徳的に優しく友だちに声を掛けられることはそれだけでも素晴らしいのですが、子どもたちが友だちに本気でアドバイスするようになるためには、やはり「ゲームの特性」を生かすことが必要です。

それも「成長を楽しむこと」の方ではなく、「競争(勝敗)を楽しむこと」の特性をもっと生かすことが重要になります。

勿論、低学年ですから、1チーム対1チームのガチンコ勝負が基本となります。

今回のようにのんびり順番に12回投げることが保障され、「4グループの中でどのグループが何個の的をくずしたでしょう」では、平和的で良いのですが、本気になるには弱いのです。

もし、時間制限があり、友だちと力を合わせて「投げる」をがんばらなければ、ゲームに勝てないとなった時、初めて勝つために投げるのが苦手な子どもにアドバイスする必然が生まれるのです。

今の子どもたちの状態は、先生に丁寧に学び方の指導がなされて、素直に友だちにアドバイスしている状態です。(これだけでも、大したものなのですが…)

しかしながら、本気になって友だちと関わるからこそ、勝敗に対する態度や友だちの気持ちを考えるなど得られることもあるのです。

かつて5年生を担任していた時、バスケットボールの授業で、ゲームに負けた瞬間、元気者のM君が運動の苦手な女の子に「お前のせいで負けたんじゃ!」と言いながらバスケットボールを投げつけたことがありました。

ゲーム終了直後の出来事でしたから、即他のコートでゲームをしていた子どもたちも、その場に集めました。

「これはヤバい!先生は怒っているぞ…」と感じたのか、集まった子どもたちの雰囲気はピリピリしていました。

その中で、M君に対して言いました。

「ようぶつけた。Mが一番一生懸命にバスケットボールやってるもんな。そやけど、ホンマにお前がバスケットボールが上手なんやったら、この子が受けられるようなパスださんかい。この子かって一生懸命にやっとるんや!今ここですぐに謝れ!」

M君はその後、休み時間にもその女の子を誘って、ボールの受け方やシュートの練習にも取り組んでいました。

その時のバスケットボールの授業後の振り返りの作文では、

「人(他人)がシュートを決めて、生まれて初めて嬉しいと思った。」と書いていました。

それでは、また!

笑顔で 元気に 逞しく!

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