クラスの空気感ができる瞬間①

某市の小学校の研修に出向きました。

4年目の女性の先生による2年生の「国語」の授業公開がありました。

学校全体での研修ですから、他のクラスの先生方も(15名ほど)当然参観されています。

そんな中、Kくんは廊下で一人、絵を描いたり漢字の勉強をしたり別の行動をしています。

教材は「お手紙」(アーノルド=ローベル作、みき たく訳)で、生まれてから一度も手紙をもらったことがないと悲しむガマくんにカエルくんがお手紙を書いて…という友情にまつわるステキなお話です。

さて、授業が進んでいく中、先生が準備してきたカエルくんのお手紙を黒板に掲示して、「みんなで読んでみようか。」と全員に一斉音読の指示を出した時、突然廊下からKくんが、その掲示した手紙を確かめに教室に入ってきたのです。

子どもたちに全員で読むことに気をとられたのか、そのまま担任の先生はせっかく教室に入ってきたKくんに何も声を掛けずにスルーしてしまったのです。

授業後の検討会では、この大切な場面については話題にならなかったので、ここでのポイントを説明をさせていただきました。

この場面で、先生は教師に入ってきたKくんに何も声を掛けずにスルーしたのですが、この行為がクラスの子どもたち全員にどんなメタメッセージを与えることになったのか(メタメッセージ)を意識できるようになる必要があります。

つまり、先生が声を掛けずにスルーしたことで「Kくんはみんなと一緒に勉強しなくてもよい存在である。」ということを、無意識的にクラス全体に示したことになります。

つまり、この瞬間にクラス全体にこのようなマイナスのメッセージが発信されたことになります。ましてや、多くの参観している先生方が居られる状況ですから、

後の研究会では、グループワークをされましたが、この場面についての話題は出てきませんでした。もし、誰も気づいていなかったとすれば…

先生は一人ひとりを大切にと言いながら、本当にそう思いながらも、実際には全く違うメッセージが伝わっていたのかもしれない…

だから怖いのです。

それでは、続きはまた!

笑顔で 元気に 逞しく!

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