某小学校での巡回指導の後、教頭先生からのご質問です。
「教室を廻られて、子どもたちの作品をみながら、この子は『空間認知が弱い』と何度かおっしゃいましたが、どうして空間認知が弱いと子どもたちは困るのでしょうか?」
さすが教頭先生、素晴らしい質問だと思いました。何度か同じ学校に足を運んでいると、何気なく使っている「言葉」が、みんな共通理解できているものとこちらが勝手に思い込んでしまっていることがあります。特に、学校は毎年異動がありますから、これまでの学びの内容が全員に共通理解できている筈はないのです。分からないことをそのままにせず、「空間認知」の何がそんなに大切なのかを率直に質問していただいたことで、再度共通理解が図れました。
さて、この「空間認知」ですが、例えばドッジボールで遊んでいるとき、飛んできたボールをよけるとか、走りながら高さのあるハードルを飛び越えるなど、まず運動の時に使います。一方教室では、黒板に書かれた板書を見てノートに写すとき、この力が弱いとどこを見ていたのかが分からなくなります。また、普段の生活では、友達との適度な距離感を保つ時にも使っています。さらに、「時空」も一つの空間ですから例えば「明日の朝9時にね~」という約束をした時に、それなりの時間のイメージを持つためにも使います。
つまり、この「空間認知」の状態が良くないと、運動ができない、勉強ができない、生活面でつまづく、約束は守れない等々何をやっても上手くいかないになりがちです。
ですから、「できるだけ早めに子どもたちの困っているところを発見して、教師が意図的に「空間認知」を高める取り組みを継続していければ、段々と改善されていく筈だ」そう願って「空間認知」の弱さという課題を持っている子どもを見つけると、できるだけお伝えするようにしています。
それでは、また!
笑顔で 元気に 逞しく!
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