数年前、某公立中学校での研修終了後のご相談です。
校長室に訪ねてこられた、中学1年生担任の30代の女性の先生から伺った、同じクラスの男子生徒と女子生徒についての悩みでした。
Aさん(男子)は、小学校時代から〇〇菌と呼ばれており、不用意な発言でことごとく周りの生徒や教師と、トラブルを起こす。(T:「彼とも後2か月です…」出向いたのが1月末だったので…)
Bさん(女子)は、ルールが守れない。忘れ物が多い。こちらが3時間前に説明したことや約束したことも、もう忘れている。それに対してこちらが叱っても、次の日には何事もなかったかのように、ニコニコとやってくる。(T:「私の説教は一体どうなってるんでしょうか?」)
さて、先生にとっては二人とも困った生徒なのですが、本当は二人とも只々「困っている生徒」なんですね。
この視点が、ユニバーサルデザイン教育や、合理的配慮に向かう時の大切な出発点になります。
ここのスタートで間違うと、とんでもない方向に行ってしまうので、時間を経れば経るほど修正が大変になります。
今回は、この二人が「見ている世界の違い」について考えてみたいと思います。
男子生徒のAさんは、小学校の時から、〇〇菌と呼ばれたり、周囲に暴言を吐いたり、これまで様々な負の経験を積み重ねてきています。
つまり、男子生徒のAさんは、これまでの生活経験の中から、原則「世間は敵」と見ているのです。
その当日私が教室に出向いた時も一番廊下側の席の前から4番めに、右肘を窓から廊下に出して座っていました。
目が合うと「おっちゃん誰~。どっから来たん?」と声を掛けてくれました。(私は勿論、廊下の大分先からニコニコしながら近づいています。)
その瞬間、「有難い。まだいける!」と思いました。
関西だけかもしれませんが、「おっさん」と丁寧に(?)さん付けされるとかなり厳しいのですが、親しみ(?)を込めて「おっちゃん」と言われると、経験上コミュニケーションがまだ何とかとれる状態なのです。
一方、女子生徒のBさんはどうでしょうか?!
続きは、また!
笑顔で 元気に 逞しく!
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