県北部のT小学校で『こんな時どうする?』研修のアドバイザーとして参加させていただきました。
こちらの実践家のT校長先生は、様々な方法で研修をされ、先生方の成長につなげようとされるチャレンジャーでもあります。
低学年のケース:(原文のまま)
1年生の国語の授業。ひらかなの「ね」の学習をした後に、「ね」がつく言葉を個々で探す活動。A児は活動に入ろうとせず、はさみを取り出してプリントの端を切り始めた。授業者は、A児のところへ行き、活動に向かわせようと声をかけ、やっとのことでA児が学習に向かいだした。ところが、今度は活動を終えたB児とC児が消しゴムを投げ合っている。授業者は、B児とC児のところへ指導に行くがA児が「先生~、先生~!」と授業者を呼ぶ声が教室中に響いている。さて授業者のあなたは、どうする?
このような事例研究の研修は、「生徒指導」ではよく行われています。
私もグループワークをする時は、様々な「事例研究」を取り入れることがあります。
時々「事例の情報が少なすぎて考えられません。」という先生が出てくるのですが、逆に情報が多すぎたら、みんなで考えるためのワークになりません。
ある程度の、「余白」があるからこそ、面白いのです。
さて、まずはこの事例で「子ども理解」について、考えてみましょう。
「A児は活動に入ろうとせず、はさみを取り出して、プリントの端を切り始めた」とあります。
A児の様子から考えると、大きく三つの課題について推察することができます。
「言語理解」の課題と「聞き取り(聴覚)」の課題、そして「愛着」の三つです。
「言語理解」の課題とは、指示そのものの意味理解ができないのではないか?!ということですが、授業者が個別に指示をすれば活動に向かい始めている様子を見ると、「言語理解」の課題ではなさそうです。
次に、「聞き取り(聴覚)」の課題だとすれば、注意欠陥で授業者の話にフォーカスして聞き取ることができないのかもしれません。さらに、ワーキングメモリー(短期記憶)の課題だとすれば、指示の聞き漏らしが起こっている可能性もあります。
この上に「愛着」の課題があるとすれば、授業者の注意を自分に向けるために「活動に入ろうとせず…」という行動を引き起こしていることも考えられます。
B児とC児の方ところに指導に行くと、A児は「先生~、先生~!」と授業者を呼ぶ声が教室中に響いているのですから、ここは大いに注目すべきポイントになります。
このようにして、事例を通して考えていくと、どのクラスにもいるA児やB児、C児の理解が進み、学級づくりに応用できるようになります。
では、実際にはどのように対処していけば良いのか…
次回は、その原則についてお話します。
笑顔で 元気に 逞しく!
みんなで一緒に ステキなクラスをつくりましょう!
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